■第2回世代間交流演劇公演『キジムナー・キジムナー』

2018年3月24日&25日

作 :高橋正圀

演出:加納朋之(文学座)

制作:佐藤尚子(青年劇場)

 


■公演プログラム

 

演出 加納朋之(文学座)

 

足利シニア劇団「燦」の第1回公演は高橋正圀さんの書下ろし作品「帰心」からはじまりました。第3回公演では正圀さんの代表作でもある、佐賀県のある農家の遺産相続を描いた「遺産らぷそでぃ」に挑戦!

そして今回は、沖縄で引きこもりに悩む家族の問題をテーマに、ひきこもりの少年と精霊キジムナーとの不思議な出会いを描いた、「キジムナー・キジムナー」を高校生とシニア劇団のメンバーで上演します。

 

高橋正圀さんの作品は3作品目となります。正圀さんは、この作品のテーマを親や周囲の大人たちが自分の人生観をちょっとだけ見直せば、何かが変わる。「ひきこもり」は大きく言えば、教育制度や経済至上主義にも原因はあるけど、とりあえず、人生の価値を金銭におかないとか、学歴だけで未来を考えないとか、手の届くところから始めてみたら、何かが変わるんじゃないだろうか。人と人との関わり、そして地域のコミュニティが、実は人間にとって一番大切なんじゃないかと言っています。

演劇も人と人との関わりを大切に一つの作品を作っていきます。高校生とシニア世代が沖縄の方言に四苦八苦しながら作り上げた「キジムナー・キジムナー」をどうぞお楽しみください。

 

制作 佐藤尚子(青年劇場)

 

「てーげー」とはウチナー口で「大概」・・ほどほどの良い加減・・あるいはいいかげん・・というような意味を持っています。劇団(青年劇場)で沖縄担当を自任するわたしは、「沖縄タイム」や「てーげー」にどれだけ出会ってきただろう。記憶をたどって行くといつの間にかほほがゆるみ、笑顔になっている自分がいます。ほとんどが、幸せな記憶として私の中に積み重なっている。初めて会う方を、約束の時間から6時間待ったこともあります。本人は来ないのですが、その方の友人が駆けつけて宴会がはじまり、やっと本人に逢えたのは真夜中。20年近くお付き合いさせてもらっている、やんばるの福祉施設の院長先生です。他にもカチャーシーがへたくそな大学教授、博学の芸人さんや、あぐー豚を開発した博物館長・・数えきれない方々が「演劇」に理解を示し是非とも沢山の人に見せようと力を貸してくれ、公演のための実行委員会が立上り、泣いたり笑ったりしながらネットワークは広がり、公演の準備をしていきます。

沖縄の方々は、演劇の持つ力を知っている・・それは自分たちが大切にしてきた歌や踊り、芸能の力を信じているからにほかならないのでしょう。「キジムナー・キジムナー」は私の大好きな芝居です。ぜひお楽しみください。

 

足利市民プラザ付属シニア劇団「燦SAN」代表 髙久保勲 【高良(近所の消防団)役】

 

本日はご来場いただき誠にありがとうございます。

劇団「燦SAN」は栃木・群馬では初の公立ホール付属の劇団として、平成24年12月にスタート、演劇を通しての生きがいと輝きづくりをモットーに活動しています。ワークショップや講演活動を通して、演技力を含めた芸術性においても、質の高い舞台の創造をめざしています。そして、平姓28年度から世代間交流演劇として「裸電球に一番近い夏」を上演、シニア層と高校生が演劇という絆で結ばれました。

今回は、旗揚げ公演「帰心」や「遺産らぷそでぃ」に続く高橋正圀作品の3作目の舞台です。南国沖縄を舞台に、ひきこもりの少年の信一とガジュマルの木の精霊「キジムナー」の出会いを通して、今日的課題をユーモアたっぷりに描いた傑作です。そうぞ最後までごゆっくりご鑑賞いただきますようお願い致します。