■第4回定期公演『居心』

2016年3月26日&27日

作・演出:加納朋之(文学座)

制作:佐藤尚子(青年劇場)

 


■公演プログラム

 

演出 加納朋之(文学座)

 

2割のアリたちは働かないでサボっているという話があります。

その働かないアリたちを集団から取り除くと、また2割のアリが働かなくなるとか・・・

巣の周りで何もしないで遊んでいるように見えるアリたちは本当にサボっているだけなのでしょうか?

 

今回のお芝居の中でやる劇中劇でも、ササという遊び人が出てきます。

ササが考え出す遊びに村人たちは興味を覚え、生きるか死ぬかの状況でもササの話す昔ばなしに楽しみを感じて明日も生きていけると感じます。

遊ぶという行為は生きていくためには直接関係ない行動に思えますが、その遊びの中からこそ想像力やいろいろな事が生まれてくるのではないでしょうか?

 

もしかしたらサボってると思われるアリたちも一生懸命、真剣に遊んでいるのかも?

遊んでいるアリがいなくなると面白くないので、また新たに遊ぶアリが必要になるのかも知れませんね。

 

そう考えるとお芝居は、最高の遊びなのかもしれません。真剣に遊ぶ(稽古する)からこそ、楽しさと緊張と喜びを感じる事ができるのだと思います。

「燦SAN」のメンバーが真剣に遊んで(稽古して)作り上げた今日のお芝居を、どうぞ皆さん一緒に楽しんでください。

 

制作 佐藤尚子(青年劇場)

 

今回の「居心」の中の劇中劇に<ササ>という登場人物がでてくる。経済至上主義の世の中から見れば、何の役にも立たない、「遊んでばかりいる」ごくつぶしである。ところが、極限状態に追い込まれた人々は彼に救いを求めることになる。この物語を初めて読んだときに、演劇人への応援歌だと思った。演劇なんかやっていると、なかなか肩身が狭く世間の目も冷たく感じることもあった時代のことです。

今回の「居心」はシニア劇団「燦SAN」の皆さんへの応援歌のつもりです。芝居を作るのは色々な意味でたいへんです。でも誰かを楽しませたい!自分も楽しい!しかも、パブリックな意味合いを持っていることも忘れず、堂々たる「遊び人」集団にならなければ!

ご来場の皆さん、「燦SAN」は居心地のいい集団です。一緒に遊んでみてはいかがですか。

 

付属シニア劇団「燦SAN」代表 髙久保勲(渡邉春夫・大長老役)

 

皆様のご声援をいただき第四回目の定期公演を開催できることを感謝いたします。今回は旗揚げ公演「帰心」の続編と言うべきお芝居に挑戦します。高齢化社会の進む中コミュニティの崩壊が現実の問題となっています。

真の豊かさとは何か、私達自身の心に問われています。石浜家に集う仲間達は一人一人「居心」(いごころ)を求めて、時間と向き合い生きています。

さあ、開幕のベルが鳴りました。どうぞお楽しみください。